「空間設計の卒制なら書店の内装から先に作ればいいのに」

「空間設計の卒制なら書店の内装から先に作ればいいのに」

このEC書店は京都芸術大学の通信教育部の空間演出デザインコースの卒業制作の一環で制作していることは前の日誌でも書きました。ですので、このECだけでなく、実店舗の空間や内装の設計もします。空間演出デザインなんだから、カフェ風とか古民家風とか、シンプルでモダンな空間とか、空間の内装デザインを先に作ればいいのにということなのかもしれません。ですが、私にはそれが出来なかった。

普段私は、書店員をやっているということではなく、Webエンジニアやシステムエンジニアの部類の仕事をやっています。そういった職種で働く人たちの業務の中でSNSとかブログみたいなCGMを開発する際には『コンテンツファースト』という、いわゆる技術で作られる器よりも、サービスの中でユーザー間でやりとりされてほしいコンテンツやユーザーがいる世界観を先に定義します。

食器とかもそうですよね。水や酒、味噌汁という器に入れるものが先になければ、漆器や升などの器は作れなかったのではないでしょうか?

だから、このEC店舗を創る際には、書籍の仕入れからしました。EC店舗のデザイン的な制作は後です。実店舗は書籍の表紙が先に確認できることが、書籍の平積み以外にありえないため、MDのアートコンセプトボードの書籍がもたらす世界観が相当わかりやすく見えるようになりました。

卒業制作を制作するにあたって他の書店も当然リサーチしました。

  1. いわゆる古本屋
  2. ジャンルや特定のこだわり、思想に特化した書店
  3. 貸棚屋
  4. カフェなどの飲食と兼ねる

自分が作る空間は1と2になるでしょう。新刊も売りたいのですが掛け率の問題もあるので、もう少し後になります。3に関しては、実施すると経営的には安定するのはわかりますが、巨大な書店スペースならともかく、小さな書店スペースの中で棚の内容の秩序がなくなることを恐れている今の自分には無理だと思いました。もし、貸棚をするなら、棚全体で売りたい書籍のテーマを設けてそのテーマを元に書籍を募ってキュレーションします。テーマを設けず貸棚を作った結果、貸棚の隣同士のジャンルや文脈が違うと、私の頭が切り替わらず混乱して無理なように感じました。表紙が壮大な写真集とキャッチコピーがあおり気味のビジネス書を隣同士の棚で並べるのは結構無理だなと。4は寝食の代金削って椅子や枕もとの両端に本を積んで本を読む本キチの私としてはマジで無理です。

1や2になると、当然ですが『半端に美しくせず天井まで本を積んでなんぼ』という本キチが喜ぶ空間を卒業制作で設計をするつもりです。AutoCADとにらめっこや!

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